物流ニュース 1月2009年

28/01/09 景気後退により豪州/北東アジア間を運航するコンテナー船を削減
28/01/09 サイクロンで港湾閉鎖、鉄鉱石の輸出も中断 − 西オーストラリア州
28/01/09 寸断されたクイーンズランド州と北部準州間の幹線道路が一部復旧
28/01/09 猛暑の中コンテナー・トラック運転手が6時間待機 − ボタニー港
28/01/09 アメリカ/ニュージーランド間に貨物機を運航 − カンタス航空
21/01/09 A380をロンドン線に投入も貨物塔裁量は激減 − カンタス航空
21/01/09 12月の豪州発の貨物量は23.9%減−キャセイ・パシフィック
21/01/09 洪水で被害を受けた鉄道軌道が復旧 − クイーンズランド州
21/01/09 コンテナー船のエンジンのオーバーヒートはヒビが原因−ヌメア
14/01/09 昨年7-9月のコンテナー取扱量が13.2%増 − シドニー港
14/01/09 クイーンズランド州と北部準州間の洪水で貨物運賃が大幅に値上がり
14/01/09 大雨でクイーンズランド州と北部準州を結ぶ幹線道路が遮断
14/01/09 フォークリフトのバッテリーに10キロのコカインを隠し密輸を図る
07/01/09 オーストラリアの航空貨物量が5.7%減少
07/01/09 エミレーツ航空が貨物運賃カルテル容疑の対象に − 豪消費者委
07/01/09 中国・インド製トイレットペーパーにダンピング容疑 − 豪税関

                                                              

01月28日2009年 景気後退により豪州/北東アジア間を運航するコンテナー船を削減
  世界的な景気後退により、オーストラリアと北東アジア間を共同で運航する大手コンテナー船会社が輸送能力を削減する。 APL, Hamburg Sud, Hapag-Lloyd, Hyundai Merchant Marine、Evergreenが加盟するコンソーティアムのAASは、運航するコンテナー船の隻数を即時減らすと発表した。 AASによると、現在運航しているコンテナー船のうち2隻を2月から6月まで運航停止することで、1週間当たりコンテナー3,200個(teu)分の輸送能力を削減する。 これにより、今年半ばまで南方ループが運航中止となり、北方ループは調整により台湾、中国南部、香港マーケットをカバーする。 日本は個別の手配により引き続き運航する。 これによって運航するコンテナー船は、3,600個(teu)のコンテナーが船積可能な6隻となる。 (Source: LLDCN, 27/01/09 "Box lines cut back Australia services")
01月28日2009年 サイクロンで港湾閉鎖、鉄鉱石の輸出も中断 − 西オーストラリア州
  サイクロン”ドミニック”が今朝、西オーストラリア州沿岸を通過する予定で、Rio Tinto社の鉄鉱石輸出が中断に追い込まれ、BHP Billiton社のグリフィン油田での生産も止まることになる。 
  Rio Tinto社の広報担当は、「Cape Lambert港もDampier港からも鉄鉱石の輸出が止まっている。 Cape Lambert港にいた2隻、Dampier港にいた4隻の鉄鉱石運搬船は、サイクロンによる被害を避けるために港から沖合いに避難している」と語った。 鉱山から港への貨物鉄道はスピードを落として運行していたが、昨日の午後には運行を取りやめた。 (Source: LLDCN, 27/01/09 "WA cyclone closes ports, mines and offshore energy")
01月28日2009年 寸断されたクイーンズランド州と北部準州間の幹線道路が一部復旧
01月28日2009年 猛暑の中コンテナー・トラック運転手が6時間待機 − ボタニー港
  シドニー・ボタニー港にある港湾荷役業者パトリックのコンテナー・ターミナルで、この7日間で6日目となる大混雑が発生し、今朝、同社に対する関係者の不満が忍耐の限界にまで達した。 
  シドニー港湾公社とパトリックは今朝、警察と相談して同ターミナルへ入る為にボタニー道路で並んでいた多くのトラックの整理を行なった。 ニューサウスウェールズ州警察は、オーストラリア・トラック協会 (ATA)が「今までに見たことがない最悪の混雑で、一部のトラックは昨日6時間待たされた」と言う不満に理解を示した。 今朝もボタニー道路ではトラックが長蛇の列をなし、道の両側にまで溢れ、待ち時間は3時間と短くなったが、トラックの列は4キロにもなる。  
  シドニー港湾公社は声明で、クリスマス前にも同様の混雑あり、パトリックでの道路と鉄道の問題には、ひきつづき失望しているとしている。 一方ATAは、この混雑は6日間続いており、その間パトリックは何も対策を講じなかったと非難した。 トラック業者たちは、これでパトリックが作業の効率化を出来る能力がないことが証明されたとしている。 このようなターミナルの混雑により、輸入コンテナーの引取りが迅速に行なえず、多くのコンテナーは無料倉庫期間を超えている状態である。 
  ATAは、「パトリックは、この混雑についてトラック業界と協調するとか、対応するといったことがない。 これは明らかに作業能力の問題で、彼らが解決しなければならないことである。 それはパトリックによる人件費の削減か、施設への投資の削減による問題であり、我々トラック業者の責任ではない」と批判した。 (Source: LLDCN, 21/01/09 "Port Botany melts as drivers sit in cabins for six hours")
01月28日2009年 アメリカ/ニュージーランド間に貨物機を運航 − カンタス航空
  カンタス航空貨物は2月から、アメリカ/ニュージーランド間をB747-400の貨物機を使用して直行便で週1便運航する。 
  スティーブン・クリアリー貨物グループ ゼネラル・マネージャーは、「この新しい路線によって、アメリカとニュージーランドにいる我々の顧客のニーズに応えることが出来る。 この貨物機の就航によって、アメリカ東海岸とニュージーランド間、ニュージーランドとオーストラリア間にメインデッキのスペースが提供できるようになり、オーストラリアからバンコック、上海、香港を含めたアジアの国々へも接続できる。 このサービスは当初、毎週金曜日にニューヨークとシカゴを出発し、オークランドとメルボルンに向かう。 その後メルボルンからアジアへのフライトに接続する。 我々は昨年、3機の貨物機のウェットリース契約を2014年まで延長しおり、これらの貨物機をチャーター・ビジネスにも使用する余裕ができ、需要が高まれば、この新しいアメリカ/ニュージーランド路線を増便する可能もある」と語った。 (Source: Aircargo Asia-Pacific, 21/01/09 "Qantas to expands freighter network")
01月21日2009年 A380をロンドン線に投入も貨物塔裁量は激減 − カンタス航空
  先週の金曜日に初めてA380をシドニー/ロンドン線に投入したことにより、カンタス航空のA380が運航するネットワークがシンガポールとイギリスへと拡大した。 
  同社のジョン・ボーゲッティ取締役は、「当初はA380をシドニー/ロンドン線に週3便運航する。 昨年10月初めてA380をメルボルン/ロサンゼルス線に投入してから、顧客の評判は非常に良い」と話した。 QF31便はシドニーを火曜日、金曜日、土曜日に出発して、シンガポール経由でロンドンに到着する。 またQF32便はロンドンを水曜日、土曜日、日曜日に出発してシンガポール経由でシドニーに到着する。 
   B747に代わる大型機の投入であるが、貨物の塔裁量は逆に少なくなる。 旅客が満席の場合、B747は25トンの貨物が搭載可能であったが、A380では15トンと大幅に減少する。 (Source: T&L News, 20/01/09 "Qantas sends the A380 to London")
01月21日2009年 12月の豪州発の貨物量は23.9%減−キャセイ・パシフィック
  キャセイ・パシフィック航空は昨日貨物統計を発表し、2008年12月のオーストラリア発の貨物量は23.9%減少して115.2トンになったとしている。 今回の統計では、ドラゴンエアの貨物量も含まれており、2008年のドラゴンエアの貨物量は1.6%減の1,644.8トンとなっている。 12月の貨物積載能力は5.7%減少して62.5%となり、2008年全体の平均は0.8%減って65.9%となった。 しかし、運航便数は逆に増えて、2008年のキャセイ・パシフィック航空とドラゴンエアの便数は5.2%増えて5万9,807便となっている。 (Source: LLDCN, 15/01/09 "Cathay December figures down while flights increase")
01月21日2009年 洪水で被害を受けた鉄道軌道が復旧 − クイーンズランド州
  クイーンズランド州北部で今月、大雨による洪水で浸水した鉄道の軌道が修復され、鉄道の運行が正常に戻った。 クイーンズランド鉄道(QR)の広報担当者は昨夜、午後5時30分の時点で、クイーンズランド鉄道のすべての路線は通常通りに運行さていると発表した。 同社は復旧に掛かったコストは公表していない。 (Source: LLDCN, 20/01/09 "Queensland back on track after floods")
01月21日2009年 コンテナー船のエンジンのオーバーヒートはヒビが原因−ヌメア
  調査の結果、現在ニューカレドニアのヌメアに停泊中の”Southern Pasifika”号が航行中にエンジンがオーバーヒートした原因が判明した。 南太平洋の船会社Sofrana社は先週、コンテナー510個(teu)搭載可能の同船が、ニュージーランドのオークランドからヌメアに向かう途中にメイン・エンジンが故障したと発表していた。 その後シンガポールから技術者が到着し、調査の結果、エンジンのクランクシャフトにヒビが発見された。 同社は、このエンジンを修理するために分解と組み立てを今週行なうとし、1月20日にはヌメアを出港したいとしている。 (Source: LLDCN, 14/01/09 "Cracks blamed for boxship engine overheating")
01月14日2009年 昨年7-9月のコンテナー取扱量が13.2%増 − シドニー港
  2008/09年度第1四半期(7-9月2008年)のシドニー港の貨物取扱量は前年同期比0.7%増の730万トンとなり、世界的な金融危機の影響は受けなかった。 
  コンテナー取扱量も49万個(TEU)となり前年同期比で13.2%増加した。 2008年9月のコンテナー取扱量は16万5,000個(TEU)以上となり、前年同月比12.8%増となった。 これはニュージーランド、中国、アメリカの取り扱い量が増えたためである。 この第1四半期(7-9月2008年)の輸入コンテナーの数は24万7,300個(TEU)となり、前年同期と比べて11.3%増えている。 主な輸出国は東アジア(45%)、ヨーロッパ(16%)、東南アジア(15%)で、それらを合わせるとシドニー港の輸入コンテナーの76%を占める。 一方、輸出は20.5%増えて10万9,700個(TEU)となり、特に木材、機械、輸送機器、穀物、化学製品が大幅に増加し、干ばつの影響を受けた綿花などの農作物の減少をカバーする形となった。 また空コンテナーの輸出は、前年同期比10.8%増の12万7,800個(TEU)となっている。 (Source: T&L News, 06/01/09 "Trade grows through Sydney ports")
01月14日2009年 クイーンズランド州と北部準州間の洪水で貨物運賃が大幅に値上げ
  クイーンズランド州と北部準州との間の幹線道路Barkly Highwayが100mにわたって大雨で流されて閉鎖になったことにより、大手貨物輸送会社Northline社は貨物運賃を25%引き上げた。 同社のグレッグ・チショルム氏は、「クイーンズランド州からダーウィンに行くには、南オーストラリア州を経由しなければならず、余分に約2,000kmかかる。 25%の貨物運賃引き上げはBarkly Highwayの使用が再開されるまで適用される。 北部準州政府の計画・インフラ省によると、被害が出ているTablelands Highwayの交差点とクイーンズランド州境の間は、10日以内に修復されるとしている。 Northline社は貨物運賃の引き上げは他社に比べると一番低いほうである。 我々は鉄道とトラックを使い、当社の全国にあるサービスセンターを経由して、他社が保有するデポで貨物を積み替えることが出来る。 他の貨物業者のToll社やShaw's Darwin Transport社も貨物運賃を引き上げており、特にShaw's Darwin Transport社は、トラック輸送しか出来ないからシドニーからダーウィンへの貨物運賃を25%引き上げ、ブリスベンからダーウィンは55%引き上げている。 (Source: LLDCN, 13/01/09 "Freight costs increase due to NT flood damage")
01月14日2009年 大雨でクイーンズランド州と北部準州を結ぶ幹線道路が遮断
  クイーンズランド州と北部準州との間の幹線道路が数週間閉鎖されるかもしれない。 そして、オーストラリア トラック協会(ATA)によると道路の修復には当初の予定より多くの費用が掛かる模様である。 
  ATAの幹部ルイーズ・ビラト氏は、「今週、クイーンズランド州境とTablelands Highwayの交差点の間のBarkly Highwayが100キロにわたって大雨で流された。 Barkly Highwayは、クイーンズランド州と北部準州との間を結ぶ唯一のアスファルトで舗装された直行の道路である。 この閉鎖により、トラックはオーストラリアの東海岸から北部準州へ行くのに、Broken Hill, Port Augusta, Alice Springsを経由しなければならず、2,500キロの迂回を強いられ、道路貨物輸送に大きな影響を受けることになる。 余計な燃料費と時間がトラック業者の経営を圧迫し、地域社会にも影響を及ぼすかもしれない。 この問題はただ単に輸送距離が長くなるだけでなく、輸送時間が長くなることで、生活物資の不足が発生し、地域社会の生活に大きな障害が出る。 連邦政府は今回の事態を深刻に受け取ってもらい、クイーンズランド州政府と共に道路の補修を出来るだけ迅速に行なってもらいたい」と話した。 (Source: LLDCN, 08/01/09 "Top ends floods to cost truckers dearly")
01月14日2009年 フォークリフトのバッテリーに10キロのコカインを隠し密輸を図る
01月07日2009年 オーストラリアの航空貨物量が5.7%減少
  連邦政府インフラ・運輸・地方経済局(BITRE)は、2008年10月までの過去1年間においてシドニーが3万1,473トンの航空貨物を取り扱い、オーストラリアで第一位の国際ゲートウェイとしての地位を守ったと発表した。 2位はメルボルンで1万7,295トン、3位はブリスベンで7,163トン、パースが6,215トンで4位となった。 オーストラリア全体の航空貨物量は6万4,166トンで、前年同期の6万8,045トンと比べて5.7%減少した。 昨年末に発表されたIATA(国際航空運送協会)の報告書では、10月のアジア・太平洋地域の航空貨物量は11%減少したとしている。 
  ニュージーランドがオーストラリアの航空貨物市場の第一位を占め、シドニー/オークランド線では4,964トンの航空貨物が動いた。 路線別でこれに続くのがメルボルン/シンガポール線の4,484トンで、全体の航空貨物量の7%を占める。 BITREの統計では、カンタス航空がオーストラリアの全航空貨物量の23.4%を取り扱い、前年同期より0.3%減少した。 またシンガポール航空のマーケット・シェアーは前年同期比1.1%増の16%となった。 
  昨年の10月には、国際定期航空会社として貨物航空会社6社を含む航空会社52社がオーストラリアに乗り入れていた。 (Source: LLDCN, 06/01/09 "Australian air cargo volumes drop 5.7% as region slows")
01月07日2009年 エミレーツ航空が貨物運賃カルテル容疑の対象に − 豪消費者委

  オーストラリアの競争監視機関は、貨物運賃カルテル容疑で提訴する第4番目の航空会社としてエミレーツ航空をターゲットにしている。 
  日刊紙Advertiser 紙によると、オーストラリア自由競争・消費者委員会(ACCC)はエミレーツ航空を、航空貨物の燃油サーチャージとセキュリティー・チャージを他社と共謀した容疑で捜査をしている。 ACCCは新年早々に、エミレーツ航空を告訴するかどうかを決定する。 アメリカ、ヨーロッパ、ニュージーランドなどの市場競争監視機関による世界的な調査は航空会社60社に及んでおり、アメリカ商務省はすでにカンタス航空、英国航空、大韓航空に対して多額の罰金を科している。 オーストラリアでは、カンタス航空と英国航空がカルテル容疑を認めて合計2,500万ドルの罰金を科されている。 
  エミレーツ航空が告訴されるかどうかは、来年開かれる連邦裁判所の審問の結果による。 ジョン・ミドルトン裁判官は、ACCCがエミレーツ航空とシンガポール航空に対し、関係書類をを見つけ出し、ACCCに提出する権利を有するかどうかを判断する。 今年7月の審問では、エミレーツ航空とシンガポール航空の弁護士は、ACCCが関係書類を探させ、提出するように命令する権利は限られたものであると反論している。 エミレーツ航空も、「ACCCが出した通知書には、取引慣行法(Trade Practices Act)に違反したとする条項は書かれていない。 ACCCが求めている世界的な関係書類の調査は、航空会社にとって多額の費用と負担が発生する」と非難した。 (Source: Advertiser, 29/12/08 "Emirates Airlines in cartel allegation")

01月07日2009年 中国・インド製トイレットペーパーにダンピング容疑 − 豪税関

  フェアファックス系各新聞紙は、輸入されトイレットペーパーの価格が通常より40%安く、国内メーカーに打撃を与えているとする税関の報告書をボブ・ディーバス内務相が承諾したと報道している。 中国とインドで生産されたトイレットペーパーは、スーパーの”ウールワース”と”セーフウェイ”のプライベート・ブランドにより広く販売されている。 
  国内メーカーのKimberley-Clark Australia社とSCA Hygiene Australasia社は、2006年5月に”ウールワース”がオーストラリアの輸入業者のPaper Force社と取引を開始してから、トイレットペーパーの店頭価格が20%下がり、不当に国内メーカーに打撃を与えていると非難した。 
  一方”ウールワース”の広報担当者は、税関にPaper Force社との契約の詳細を提供するのを拒否し、「消費者は良い商品を安価で買い求めている。 Paper Force社との契約は2008年8月には切れている」と話した。 
  しかし、オーストラリア税関の調べでは、”ウールワース”のトイレットペーパーの納入業者の1社が、通常価格より33%から38%安くして販売しており、その他の納入業者も5%から10%安くしてダンピングしているとしている。 ”ウールワース”とPaper Force社は今回の調査結果に対して、1ヶ月以内に異議を申し立てることができる。 (Source: Australian/AAP, 02/01/09 "Customs probe flushes cheap imports from toilet paper market")